【共同創業者インタビュー】RHINOSHIELDの製品革命と循環リサイクル式スマホケースの誕生

RHINOSHIELD (ライノシールド) と聞いて、最初に思い浮かぶものは何でしょうか?高い所から落下するスマホ、それとも、さまざまな道具に叩きつけられるスマホケースでしょうか?長年にわたる努力により、RHINOSHIELDは本社を構える台湾において「壊れないスマホケース」の代名詞となりました。しかし、 RHINOSHIELDの専門性が単なるスマホケースの製造だけでなく、「材料技術」にあることを知る人は多くありません。


RHINOSHIELDは耐衝撃性スマホアクセサリー市場を牽引すべく、長年にわたり材料技術に関する研究開発に取り組んできました。画面保護フィルムから始まり、フレームと背面プレートを自由に組み合わせて、自分らしくカスタマイズできる最初のスマホケース「Mod NX」、その後、究極の美しさを追求した黄ばみにくい透明のスマホケース「Clear」を市場に送り出しました。いずれの製品にもRHINOSHIELDの独自の材料技術、そして、日夜努力を重ねた実験室と研究開発スタッフの心血が注がれています。


RHINOSHIELDは製品の実用性を追求するだけでなく、創業当初からサステナブルであることと同時に、最先端の保護性能を備えた材料を使用することを目指してきました。2017年以降は幾多の困難を乗り越え、RHINOSHIELDのスマホケース全シリーズに「単一素材」を使用し、スマホケースのリサイクル効率アップとリサイクル品質の限界を打破することに成功。


2024年3月には、回収した使用済みスマホケースを100%リサイクルした初の循環リサイクル式スマホケース「CircularNext」を発売し、古いスマホケースを材料として新しいスマホケースを作り出す正真正銘の廃棄物ゼロを実現しました。


簡単そうに聞こえますが、カラーや状態が異なる使用済みスマホケースを粉砕・リサイクルし、さらに外見の美しさや耐久性も兼ね備えるには非常に高度な技術が必要となります。RHINOSHIELDはどのような文化と企業精神でこの困難を克服し、実現させたのでしょうか? このインタビューでは、RHINOSHIELDの共同創業者であり、製品開発とサプライチェーン管理を手掛ける副社長の王靖諭 (Ray Wang) にRHINOSHIELD独自の「材料技術」と揺るがない「進化を愛する精神」について話を聞きました。

RHINOSHIELDの製品革命

RHINOSHIELDの製品の沿革と発展について語るとき、Rayのまなざしには力がみなぎり、同時に少しの感慨を滲ませました。この感慨は、過去に経験した数々の難関を乗り越えたことから来るものであり、この難関は他の誰でもない RHINOSHIELD自身が自分に課したものでした。


なぜこんなにも高い基準を設定したのでしょうか?Rayは大谷翔平がWBCの決勝で語った「憧れるのをやめましょう。憧れてしまっては超えられない。」という言葉を引用して説明します。材料技術分野の専門家であるRHINOSHIELDも、これと同様だとRayは考えているのです。 「いつの日か、自分たちも他の人に憧れたり、海外の技術を崇めたりする必要がなくなる。自分たち自身が憧れの対象になる日が来る。」


しかし、RHINOSHIELDが自分たちの製品に課した法規以上の規格への要求は、Rayと製品開発チームを過去10年にわたり苦しめ、また実験の過酷さは、多くの同僚の犠牲が伴うものでした。

RHINOSHIELD共同創設者、製品開発およびサプライチェーン管理副社長の王靖諭(Ray Wang)
RHINOSHIELD共同創設者、製品開発およびサプライチェーン管理副社長の王靖諭(Ray Wang)

無毒と汚染ゼロへのこだわり

スマホケースなどのデバイス用アクセサリーは、大人や子ども、幼児までをも含む現代人が、毎日頻繁に触れる物です。だからこそRHINOSHIELDは、アメリカFDAの食品容器グレード基準を満たす製品を製造し、BPA/BPS/BPFといった、プラスチックによく使用される化学物質を材料に一切含まないことにこだわってきました。RHINOSHIELDの全ユーザーが可塑剤 (フタル酸エステル) や、環境ホルモンの危険から遠ざかることができるのです。


でも、あなたはこう思うかもしれません。「保護ケースは口に入れる物ではないのに、食品グレードで製造する必要があるのだろうか?」


しかし実際、可塑剤 (フタル酸エステル) は皮膚や呼吸からも人体に入ってきます。もし食品容器であれば、誰もがこう声を荒げるはずです。「フタル酸エステルには、必ず気を付けなければいけない!」しかし、毎日の接触時間が食品容器よりも長いであろうスマホケースなどのアクセサリーに、人はなぜ注意を払わないのでしょうか?法で定められていないことだけが理由でしょうか?定める人がいないのであれば、RHINOSHIELDが規範を作るしかありません。


しかし、このRHINOSHIELDが設定した高い規格に合わせることは、決して簡単なことではありません。スマホケースには頑丈さと耐久性が必要不可欠ですが、市場のスマホケースに常用されているポリカーボネートのように、材料が固くて頑丈であるほど、可塑剤は多く含まれているのです。


頑丈で耐久性と弾力性に優れ、可塑剤を含まず完全に無毒で環境を汚染しない材料。そんな材料を見つけるために、Rayと製品チームは開発魂を発揮し、何度もテストを繰り返しました。そして、ついに解決策を見つけ出し、アメリカFDAの食品グレードと同基準でBPA/BPS/BPFを含まない製品を作り出すことに成功しました。


このような製品を作るためには、RHINOSHIELDだけでなく、サプライチェーンや工場といった全パートナーの協力が必要です。以前工場にて、他社製品の製造過程で可塑剤を含む材料を使用したために、RHINOSHIELDの製品にも可塑剤が混入してしまう事態が発生。全てのロットを破棄し、最初から作り直した経験があります。これはRHINOSHIELDの無毒の材料に対するこだわりであり、少しの妥協も許すことがない証です。


RHINOSHIELDは材料へのこだわりが強すぎるのでしょうか?Rayは率直にこう言います:「何度もテストをやり直すことは、一番大変なことではないんです。最も大変なのは—— すべての人に、一緒に最初からやり直すよう、説得することです」

独自の単一素材技術

可塑剤の問題を解決した後に待ち受けていたもう一つの難関が単一素材でした。スマホケースを正真正銘の循環リサイクルに組み込むため、また「材質を分離できない」という理由でゴミとして捨てられないために、RHINOSHIELDは2017年から単一素材にこだわり、スマホケースを製造し始めました。

「一つのスマホケースを作ることは難しくない。しかし、一つの材料でスマホケースを作るのは困難を極める。」

単一素材を使って、スマホケースに必要な全ての特性を満たすためには、頑丈で耐久性と弾力性があり、さらに、さまざまなカラーを調合する必要がありました。Rayと製品開発チームはこれまで同様に開発魂でテストを続け、ようやく材料の解決策を見つけ出しました。しかし、その単一素材をRHINOSHIELDの全てのスマホケースに応用することは、次のさらなる難題となったのです。

透明なスマホケースを製造する難しさとは?

単一素材を使った、黄ばみにくい透明スマホケースClearの製造が、製品開発チームを悩ませました。透明スマホケースの製造はなぜ難しいのでしょう?それは、製造過程の油汚れ、黒点、筋、隙間、加工や輸送時の摩擦、さらには空気中のほこりまでも、透明ケース上には目に見えて残ってしまうからです。製造過程で、ケースに跡を残してしまうすべての可能性を排除するため、透明度のある製品は、製造の全工程で細心の注意を払う必要がありました。


同時に透明感を極めるだけでは不十分で、RHINOSHIELDの透明ケースは「永久に黄ばみにくい」特徴が絶対に必要でした。市場の透明スマホケースが抱える経年による黄ばみでケースが廃棄される問題を解決しなければならないからです。


これらを実現させるために、Rayは製品開発チームと共に何年もの月日を費やしました。20以上の金型を廃棄し、30種以上の材料配合を試し、何千万というコストが消えていきました。そしてついに、「単一素材」で傷や汚れがなく、究極に透き通り、頑丈で永久に黄ばみにくい透明スマホケースClearを作り出すことに成功したのです。

「スマホケースが長く使用されれば、スマホケース廃棄による環境への負担が軽くなる。」

RHINOSHIELD Clear が地面に落下している様子
黄ばみにくい透明スマホケースClearは、RHINOSHIELDが究極の完璧を追求した成果
RHINOSHIELD共同創設者 王靖諭(Ray Wang)がプレゼンする様子
RHINOSHIELD製品は無毒でフタル酸エステルを含まず、2017年からすべてのスマホケースを単一材料で製造しています。これらの高い基準を達成するために、王靖諭(Ray Wang)と製品開発チームは無数の実験と失敗を重ねてきました。

CircularNext 100%サステナブルケースの誕生

2024年3月、ついに難関を突破したRHINOSHIELDは、正式に循環リサイクル式スマホケース「CircularNext」 を発売しました。 RHINOSHIELDが長年、材料技術における努力とテストを続けて作り出した成果でした。 「CircularNext」はリサイクルした単一素材のスマホケースを原料に採用。使用済みスマホケースに新たな命を吹き込むだけでなく、頑丈で耐久性があり、無毒で環境を汚染しない独特な外観をしたスマホケースです。

なぜリサイクル可能なスマホケースを作るのか?

トレンドに合わせるように、市場の多くのスマホケースは複数の材質を組み合わせて製造されています。複合素材は、簡単に複雑なデザインを作り出すことができるためです。しかし、こうした複合素材はリサイクル時の素材の分解が難しいため、リサイクルに回すことができず、結果その多くがごみとして処理されることになります。世界中で毎年大量のスマホケースが使用される現実をふまえ、RHINOSHIELDの2人の創業者は会社を立ち上げたときから考えていました。 「RHINOSHIELDの強みである材料技術の専門性を使って業界を牽引し、地球を守ることはできないか?」


材料技術で地球を守るという夢をかなえるため、単一素材を使ったスマホケースを製造する。これだけでは不十分です。さらにもう一歩——100%リサイクル材料を使った、正真正銘の廃棄物ゼロであることが必要でした。この難題に直面したとき、Rayと製品開発チームが最初に導き出した仮説は、RHINOSHIELDのスマホケースに使用しているTPE素材を使えば、 リサイクルできるだけでなく、何度も再利用ができるのではないか ということ。


そしてRayと開発チームは実験を繰り返し、この理論を証明するために、3年の月日を費やしました。

「RHINOSHIELDがやっていることは、他の人にはできないことなのか?CircularNextがそれを証明する。」

数えきれない実験の日々:他の人ができないこともRHINOSHIELDなら、できる。

RHINOSHIELDのスマホケースが原料となり再生されるためには、新品のケース同様の特性を維持していること、さらにはより優れた強度や耐久性を備えている必要があり、Rayと研究開発チームは何年にもわたる、果てしない実験の旅に出ることになりました。


彼はこう言います。「一つの答えを得るために行った実験の代償は、莫大なコストと日夜心血を注いだ開発スタッフの努力にほかならない。」実験が失敗に終わっても、調整を重ね、時間を費やし、コストを犠牲にしてまでも続けることができたのは、RHINOSHIELDの材料にかける開発魂であり、 チームが一貫してこう信じていたからでした。


「材料の限界は、自分たちの材料技術で必ず越えてみせる。」これも他の企業とは違うRHINOSHIELDのこだわりと自信でした。 

自ら難題を追求:頑丈さ、耐久性、美しさ、そして、サステナビリティ

「環境にやさしい素材?そんなのすぐ壊れるでしょ」一般の人はエコ素材に対して、耐久性がなく、すぐに交換しなければならないというイメージを持っています。これに対して、Rayはこう考えます。「消費者が環境にやさしい素材に対して誤解をもっているのは完全に理解できます。なぜなら、エコ素材の裏側には非常に複雑な材料技術があり、市場に出回っている環境にやさしい製品は確かに品質がまちまちだからです。 しかし、RHINOSHIELDのエコ素材は、材料技術における優れた専門的技術の成果であり、他の製品とは絶対に違います。


「環境にやさしい素材を使うと耐久性が犠牲になる」という枠を打破し、業界に新たな基準を打ち立てるためだけに、RHINOSHIELDは全製品の生産工程に最高基準を設定し、多くのコストを投入しました。人々のエコ素材に対する固定観念を覆し絶対に違います。環境に関心を持つ消費者がサステナブルな製品を選択しても、実用性と耐久性を犠牲にすることがないようにしたいと考えたのです。


しかし、こんなにも高い要求を実現できるのでしょうか?パートナーたちは協力してくれるのでしょうか?Rayは笑いながら言います。「自分たちは異端者。業界の全企業が利益と存続を考えているときに、私たちは材料技術でどうやって地球を救うかを考えているのだから。」 誰もやったことがなく、基準がないとき、RHINOSHIELDは自ら最高基準を設定しました。誰もが愚かなことだと考え、協力を得られなくなったときでも、100%循環リサイクルのスマホケースを作るという夢を達成させるためだけに RHINOSHIELDは自分たちで実験室とリサイクル工場を立ち上げました。


循環リサイクルから生まれたRHINOSHIELDのスマホケースは、製品として頑丈で耐久性があるだけでなく、何度もリサイクルすることができます。最も多くの人がリサイクルするペットボトルでさえ2回しかリサイクルできませんが、 RHINOSHIELDの循環リサイクルから生まれたスマホケースは、6回リサイクルすることができます。しかも、リサイクルされた後も頑丈で耐久性があり、唯一無二のグラデーションカラーを出すことも可能です。

RHINOSHIELD CircularNext
RHINOSHIELDの循環再生スマホケースは、使用済みスマホケースをリサイクルして作られ、同じく頑丈で軍規格超えの高い耐衝撃性を備えることから、環境にやさしい素材は耐久性が低いという固定観念を打破します。
RHINOSHIELD CircularNext 唯一無二のグラデーションカラー
回収したスマホケースの多様なカラーを活かして、唯一無二のグラデーションを生み出します。

良いスマホケースとは?未来はRHINOSHIELDで決まる

スマホアクセサリー市場の発展により、消費者の選択肢は格段に多くなりました。軍規格の強度をもつ製品であれ、簡単に製造できる見た目の外観製品であれ、安価で実用的なものが簡単に手に入るようになりました。


しかし、人々のニーズと安全性を満たすのに、安くて見た目が良いだけで十分なのでしょうか?


RHINOSHIELDが一貫して無毒かつBPA不使用の素材にこだわってきたように、 たとえ現状の法規に定められていなくても、ユーザーに代わって先に考えることが必要です。この考えは、RHINOSHIELDが材料技術の専門家として、そして製造者として、自らに課した要求に基づくものです。


無毒、汚染ゼロ、単一素材、循環サステナブルは、現段階ではあなたの最優先事項ではないかもしれません。しかし、将来的には必ずすべての人が考えなくてはならないことであり、地球環境の未来がそれに託されています。そして、スマホアクセサリー市場においては、このような高い基準の解決方法を RHINOSHIELDがすでに作り出しています。


RHINOSHIELDの本拠地、台湾だけでなく、世界に目を向けてみても、材料技術を掘り下げてスマホケースを100%循環リサイクルしている企業は数えるほどしかありません。RHINOSHIELDは CircularNextの登場によって台湾の材料技術分野での実力を証明し、欧米でも評価される存在となりました。


いつの日かRHINOSHIELDが世界の憧れとなる日を目指して、これからも業界の新基準に向かって、たゆまぬ努力を続けていきます。

「より良い地球のために、RHINOSHIELDは材料技術分野を全力で進み続ける」--- RHINOSHIELD共同創業者 王靖諭 (Ray Wang)