Plastic PET bottle in the ocean

海のプラスチックごみは多い?想像を絶するごみの量

執筆者: RHINOSHIELD Staff

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水や飲み物を入れるペットボトル、買い物用のビニール袋、お土産のラッピング、使い捨て食器などほとんどの日用品でプラスチックが使用されています。だとしたら、私たちどれだけプラスチックを使用しているのでしょうか?


2021年、世界のプラスチック使用量は3億9千トンに達していますが、これはプラスチック産業の製品のみの数値であり、人類が生み出すプラスチックの総量は前述の数字よりも遥かに高いのです。


更に恐ろしいことに、この使用量は2050年の時点で4倍以上の14億トンに達する見通しです (出典:Plastic Soup )。

世界で毎年生み出されるプラスチックごみは最終的にどのように処理されるのか?

Illustration of nature and plastic garbages

国連資料によると、私たちは毎年4億トン以上のプラスチックごみを生み出しています。そのうちどれだけリサイクルされているか、ご存じですか?


なんと、プラスチックのリサイクル率は10%未満に過ぎません。


他の大量のプラスチック製品は河川や湖沼、海等の自然環境に混ざり、しかも、そのほとんどが消えることはなく、より小さなプラスチックの粒やかけらになって、最終的には人体へ入ります。

私たちの海はすでにプラスチックごみで呼吸できなくなっていて、私たち人類も、近い将来にプラスチックごみで呼吸ができなくなってしまいます

プラスチックがもたらす環境問題は何か?

2015年.海洋科学者であるNathan J. Robinsonさんが海亀を救ったときに長さ15センチのプラスチック製ストローを鼻から抜き取った動画は、その様子は世界を震撼させ、皆が声高にプラスチック製ストロー使用の禁止を訴えるようになりました。

私は海にゴミを捨てていない、私がしたことじゃない、と思うかもしれませんね

しかし、たとえあなたがごみ箱やリサイクルボックスに捨てたプラスチックも、実は正しく処理されず河川から海へ流出されている可能性があります。


統計によると、毎年約115万~241万トンのプラスチックごみが河川から海へ流出されています。プラスチックは海面に浮くため漂流しやすく、また、分解しにくい特性のためますます遠くへ漂流し、あらゆる海へ分散されてしまいます (出典: The Ocean CleanUp )。

人類が製造したプラスチックごみのうち、8割以上が適切にリサイクルされておらず、ごみとして埋められたり、不法に投棄されたりしている。(Photo by  Antoine GIRET  on  Unsplash )

環境を破壊する巨大なごみの島

1970年代より人類が生み出したプラスチックごみは常に河川や湖沼から海へ流出しています。


現在、海には巨大なごみの島が既に5か所で発生し、1か所あたりのプラスチックごみの量は数にして 1.3兆〜3.6兆個に達しています。

生態環境の破壊

海に含まれるプラスチックは海洋生物が誤食し、窒息などを引き起こします。


胃に蓄積されたプラスチックを消化することも排出することもできず、そのまま餓死する鯨や、プラスチックのひもがからみついて飛ぶことができない海鳥、プラスチックのカップが頭に引っかかり首を伸ばせない海亀。


このような悲劇は海で常に発生し、海洋生物は人類が生み出したプラスチック製品のせいで窒息しているのです。

ゴミをくわえている鳥 (Photo by Tim Mossholder  on  Unsplash )

プラスチック粒のない場所はない

大量のプラスチック粒は風に吹かれて雨に打たれても分解、消失せず、マイクロプラスチック (Microplastics) へ姿を変えます。


プラスチック製品から発生したマイクロプラスチックだけではなく、人類の生み出す生活ごみ、たとえば合成繊維やタバコの吸い殻など、ほとんどのごみにマイクロプラスチックが含まれています。


また、マイクロプラスチックは体積が小さく、海中で拡散しやすい特徴があります。

米国カリフォルニア州のモンテレー湾では水深200メートルの海中でさえ、1立方メートルあたり15個のマイクロプラスチックが含まれ、同海域に生息するカニなどの生物の体内からも確認されています。

プラスチックは微粒子として人体にも入り込む

人間が食べる海産物から、プラスチックの微粒子が検出されているという記録があります。(Photo by  Naja Bertolt Jensen  on  Unsplash )

黒潮海洋文教基金会発行の2021年台湾沿海における季節別マイクロプラスチック調査の結果によると、マイクロプラスチック含有量は北東海域が最も多く、基隆北東の海域では夏にマイクロプラスチックが1立方メートルあたり 22-25 個含まれているとのこと。

発生源の多くは、粉砕したケースの外殻や使い捨て食器などのプラスチック製品のような硬質プラスチックです。


魚やムール貝、牡蠣等を含む、人類が普段食べているシーフードからもマイクロプラスチック検出が記録されており、これらのマイクロプラスチックは食物と共に人体に吸入されます。

海などの環境に含まれるプラスチックごみを減らすには?

海中に含まれるプラスチックごみを減らしたいのなら、私たちは発生源から対策を講じるしかありません。


エコボトル、エコバッグの使用などによって不要なプラスチック製品の使用を減らし、必要なプラスチック製品も、単一素材で製造されているものをなるべく選択することで、「完全リサイクル可能で、確実に再利用でき、ごみにならず環境に影響しない」製品を使用することができます。


それでは、プラスチックが海のゴミにならないようにするには、どのようにリサイクルすればよいのでしょうか? こちらの動画をご覧ください。