プラスチック管理

転換点:最高の製品づくりから、持続可能な未来へ

11-18-2025

読了目安時間: 5 分

転換点:最高の製品づくりから、持続可能な未来へ

RHINOSHIELDの使命は、プラスチック管理によってプラスチックのライフサイクルを再定義し、環境と社会にポジティブな変化を生み出すことです。この使命こそが、私たちを業界の中で特別な存在にしています。なぜなら、私たちが描く未来は製品を超えたところにあるからです。

もっとも、このビジョンがブランド誕生当初からあったわけではありません。私たちは試行錯誤を重ね、いくつもの遠回りを経て、あるきっかけによって、自分たちの未来と責任を深く見つめ直すことになったのです。

すべてを変えた瞬間

創業当初、RHINOSHIELDは多くのブランドと同じように、「市場で最高の製品をつくること」を企業の核心として掲げていました。最初に開発したのは、市場で最も耐衝撃性に優れた画面保護フィルム。発売直後から大きな反響を呼び、売上は急速に伸びていきました。その後、私たちは耐衝撃技術をスマホケースにも応用し、製品ラインを拡大。成長を続けながら、次々と新しい挑戦を重ねていきました。

しかし、成功とともに、もうひとつの数字が静かに上昇していたのです。それは「廃棄量」でした。

新しいスマートフォンが発売されるたびに、旧モデルのケースは市場から姿を消していく。倉庫の片隅には、売れ残った在庫の箱が次第に積み上がっていきます。わずかな生産計画の誤差や在庫管理のズレが、廃棄数の増加へと直結し、最終的にそれらは大量の廃棄物として処理場へ送られてしまうのです。

その瞬間、私たちは気づきました。知らぬ間に、私たちはファストファッションの循環に巻き込まれていたのだと。

盲点:これまで見えていなかった問題

なぜ、これらのスマホケースは最終的に廃棄物になってしまうのか?

その理由は、当時採用していた業界標準の「二重射出成形」という製造方法にありました。硬質プラスチックと軟質プラスチックを一体化させることで、優れた衝撃吸収性と耐久性を実現する手法です。しかし、この工程で結合した2種類のプラスチックは、成形後に分離することができず、リサイクルの段階で分類処理がほぼ不可能になります。つまり、製造の瞬間からすでに廃棄される運命が決まっていたのです。

こうした設計上の問題が、製品の結末を最初から決定づけていました。私たちが直面していたのは、実は業界全体が抱える共通の課題――生産と販売ばかりに注力し、製品の「終わり」を考えていなかったということです。

中には、廃棄されたケースを粉砕して道路舗装材にするダウンサイクルや、芸術作品として再利用するアップサイクルを行う企業もありました。

しかし、これらはあくまで事後的な対処にすぎません。それは「廃棄物を処理する」ことはできても、「廃棄物をなくす」ことはできない。見た目は環境にやさしそうでも、根本的な解決にはなっていないのです。

業界全体がリサイクル不可能なケースを作り続けている限り、毎年の生産量は、未来の廃棄量とほぼイコールになります。近年のデータでは、その総量は満載のエアバス80機分にも相当します。

この現実を変えるために、私たちはリセットボタンを押し、自分たちが進むべき未来を根本から設計し直すことを決意したのです。

気づき:いまこそ、より良い選択を

私たちはブランドの方向性を再定義しました。それは、優れた製品をつくるだけでなく、地球にとって良い製品をつくるということ。

この答えにたどり着くまでに、私たちは7年の歳月をかけて探求を重ねました。素材、デザイン、製造――あらゆる工程を徹底的に見直し、製品のライフサイクルの各段階が環境に与える影響を細かく分析しました。

その過程で、植物由来プラスチックや生分解性プラスチックなど、さまざまな代替素材も研究しました。しかし、それらの多くは一時的な解決策にすぎず、スマホケースに求められる多機能性を満たせないばかりか、新たな環境問題を引き起こす可能性もあることが分かりました。

そして私たちは気づいたのです。本当の解決策は「素材を置き換えること」ではなく、「循環を生み出すこと」だと。

プラスチックそのものが悪いわけではありません。問題は、人間がそれをどう扱うかにあります。もし技術によってプラスチックを何度でも循環できる素材に変えられるなら、それは廃棄物ではなく、貴重な資源になるのです。

行動:理念をかたちにする

2024年、私たちは「廃棄物ゼロ・単一素材・100%循環リサイクル」という理念のもと、革新的なスマホケースCircularNextを発表しました。この製品は、技術的に廃棄を出さない「技術的ゼロウェイスト」を実現。ペットボトルのリサイクルのように、使用後も完全に回収・再資源化し、再び生産工程へと戻すことができます。これにより、スマホケース業界における新たなサステナビリティ基準を確立しました。

この画期的な成果は、私たちの視野をスマホアクセサリーの枠を超えて、プラスチック管理全体へと広げるきっかけにもなりました。自然界で水が液体から氷へ、そして再び液体へと循環するように、プラスチックも適切な技術と仕組みを用いれば、何度でも再生できる貴重な資源となるのです。

私たちの変わらぬ誓い

RHINOSHIELDは、プラスチックを廃棄物ではなく資源へと変えるため、具体的かつ拡張可能なソリューションを通じて、このプラスチック革命をこれからも前進させていきます。

私たちとともに意識を変え、プラスチック管理のあり方を進化させ、本当の意味で持続可能な未来を築いていきましょう。