SolidX 誕生｜四隅構造に隠された科学的革新

2016年にRHINOSHIELDがSolidSuitを発表して以来、私たちは構造設計からアプローチし、日常での保護性能を高めることに全力を注いできました。
素材科学の限界に挑み、循環型リサイクルシステムを導入。さらに多様な印刷デザインを取り入れることで、ユーザー一人ひとりが自分らしさを表現できるようにしてきました。

そして今、この歩みは新たな節目を迎えます。

SolidXの誕生は、SolidSuitのDNAを受け継ぎながらも、信頼されてきたミニマルな美しさとフルカバー設計をそのままに、まったく新しい次元の保護基準を打ち立てました。
新名称SolidXに込められた「X」は、私たちが再定義した保護の新基準を象徴しています。
それは単なる改良ではなく、より強く、過酷に、そして一切の妥協を許さない保護性能への再構築です。

この革新は、RHINOSHIELD内部で行われた徹底的な落下試験と構造解析から生まれました。
数えきれないテストを重ねる中で、私たちはある重要な発見にたどり着き、それがSolidXの新しい保護力を生み出すきっかけとなったのです。

AirXの開発過程で、私たちのプロダクトデザインチームは、より高精度な落下試験装置を構築し、
SolidSuitで蓄積してきた膨大な落下データを改めて検証しました。

数えきれない比較とテストの結果、私たちはある重要な現象を発見しました。それは——カメラフレーム付近の角だけが、他の3つの角より安定した高い落下耐性を示していたのです。

なぜ、この一つの角だけが突出した結果を出していたのか？その疑問が、私たちの探究心をさらに掻き立てました。

そこでエンジニアは、内部の角の構造や厚みの組み合わせを徹底的に分析し、何度も試作と検証を繰り返しました。そして、素材の配合を変えることなく、衝撃吸収の鍵となる構造特性を突き止めたのです。無数の微調整と最適化を経て、その領域にはまるで「吸収構造」のような特性が生まれました。

瞬間的な衝撃が加わると、内部がわずかに潰れるように変形し、衝撃エネルギーを分散、減衰させる。まさに「見えない防護壁」のような働きをするのです。

その瞬間、私たちは気づきました。真の防護とは、大きな変革から生まれるものではなく、見過ごされていた細部をもう一度見つめ直すことから始まるのだと。

落下と科学が出会うとき、革新が生まれる。
けれど、そこからが本当の試練の始まりでした。

この発見を実際の保護力向上へとつなげるために、
開発チームはスマホケース内部でのエネルギー伝達のすべての流れを一から見直す必要がありました。精密なテストモデルを構築し、さまざまな角度、衝撃条件をシミュレーション。衝撃エネルギーがどのように分散、消散するのかを細かく追跡していきました。

そして、素材の配合を変えずに、最適な構造を見つけるための長い探求が始まりました。

第一の試み：
　特定エリアの構造を強化すれば解決できる仮定。結果は、全体のデータが大きく低下し、保護性能はむしろ悪化。
第二の修正：
　慎重にパラメータを微調整。結果は、改善はごくわずかで、ほぼ振り出しに戻る。

その後の日々は、まさに物理法則との綱引きでした。
数百にも及ぶ微調整、テスト、そしてやり直し。失敗のたびに選択肢は絞られ、成功のたびに新たな課題が見えました。

そして、ついに私たちはその「バランス点」を見つけたのです。ちょうど野球選手がバットの「芯」を見つけるように、構造の深さ・角度・素材の硬度が織りなす黄金比を発見しました。
その瞬間、すべてのデータが一つの結論を示しました。これこそが、私たちの求めていた答えだったのです。

真の保護性能は、単に素材の厚みを増すことからは生まれません。構造への深い洞察と熟練の技術から生まれるのです。

厚ければ保護性能が上がるという常識を疑い、精密な構造設計によって、すべての領域が最大限の保護性能を発揮できるよう設計。重要な部分の構造は、調整されたサスペンションシステムのように、衝撃の瞬間にエネルギーを効果的に導き、分散させます。

私たちは衝撃をエネルギーの流れとして捉え、構造の安定性と保護性能を両立できる最適なバランス点を何度も探りながら、スマートフォンに「見えない衝撃吸収システム」を築き上げました。すべての構造調整には明確な工学的な根拠があります。落下の瞬間、エネルギーは正確に導かれ、分散され、ケース全体の安定性を維持します。

これは過剰設計ではなく、より精密に設計された、知性ある保護なのです。

「簡単そうに見えて、簡単ではない。」それこそがSolidXの精神です。

派手さを競う時代に、私たちはあえて別の道を選びました。

真の価値は、目に見えないところに宿る。すべての革新が外観を変える必要はありません。すべての進化が新しい形を生み出すわけでもありません。ときには、細部への真摯なこだわりこそが、世界を変える力になるのです。

これがSolidXの誕生物語。見過ごされてきた“角”という小さな部分から、保護技術の新たな高みへと歩みを進めました。

SolidXは、細部への執念、革新への情熱、そしてユーザーへの揺るぎない約束の象徴です。
継続的な技術開発を通じて、私たちは画期的な耐衝撃性能を生み出し、業界に新しい保護基準を築き上げました。